叶えてきた夢・3
2回目の【運・縁・タイミング】が揃った私は、2か月後に初めての授業を控え、猛勉強の日々でした。
4か月の授業のテーマは『なっちゃんの好きなように進めていい』。教科書を受け取り、大学時代のテキストや教育実習ノートを復習。現役の書道教師である同級生にも授業の仕方を学びました。
夏休みをほぼ使い切り、紆余曲折、何度も試行錯誤の末、「進めたい授業のスタイル」が明確になってきました。この4か月で培った経験が、後に大いに役立つこととなります。
勤務したのは私立の高校。受け持つのは1年生の4クラス。最大で10人という少人数の書道選択クラスでした。芸術科目は2時間連続の授業なので、一人一人に丁寧に指導が行き届く、恵まれた環境でした。
初めて生徒たちと対面し、挨拶をした時の緊張を、忘れることはできません。初めこそ身構えていた生徒たちでしたが、授業を進めるにつれ、だんだんと心を開いてくれるようになりました。
手書きの授業プリントに授業で学んだことや感想を記入し、作品と共に提出。一人一人に作品綴を作り、プリントと作品にコメントを記入して翌週に返却。
生徒たちはこのコメントを読むのが毎回の楽しみとなったようです。9年間の添削指導員で身に付けたことが、このような形で生かせたことが、とても嬉しかったです。
一喜一憂しながらの4か月は、瞬く間に過ぎていきました。最後の授業の時、女子生徒のみのクラスでは・・・なんとサプライズでメッセージボードを贈ってくれました。今でも私の宝物で、部屋に大切に飾ってあります。
等身大の私を受け入れてくれた生徒たち。高校1年生だったみんなは、年明けには成人式を迎えます。36人の生徒の名前と顔、座席の位置まで全て覚えています。そして、全てを手作りした授業プリントの綴が、今も私の原点となっています。
この4か月の間に、3回目のステップアップのチャンスが舞い込みます。
そのお話は、また明日しますね。
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