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きれいな文字の書き方~ひらがな編~

きれいな文字の書き方~ひらがな編~

「子どもっぽい丸文字になってしまう」「画数が少ないからバランスを取るのが難しい」。

『ひらがながうまく書けない』というお悩みはありませんか?

今回は品格漂うきれいなひらがなの書き方を、プロの書道家が徹底解説いたします。 解説動画やお手本もご用意いたしましたので、ひらがなの学習にどうぞお役立てください。

1;仮名の成立と種類

現在、わたしたちが使っている「ひらがな」。この「ひらがな」ができるまでの文字の歴史をはじめにご紹介いたします。文字の歴史を知ると「ひらがな」への興味が湧いてくることと思います。早速、見ていきましょう。

1-1;漢字と仮名

固有の文字を持たなかった古代の日本人は、1世紀頃に中国からもたらされた「表意文字」である漢字と出会い、その『音』を使って「表音文字」である【仮名】を生み出しました。5世紀頃のことです。
 *表意文字;一字一字が意味を表す文字、漢字など。
 *表音文字;一字だけでは意味を成さず、音声だけを表す文字、仮名、ローマ字、ハングルなど。
漢字が「正式の文字」という意味で『まな(真名)』と呼ばれたのに対し、「略式の文字」という意味で『かりな(仮名)』と呼ばれ、「かりな」が「かんな」に転じて「かな」となりました。

1-2;さまざまな仮名①【万葉仮名】

初期の仮名には漢字の楷書や行書が使われていました。古くは古墳時代の鏡や太刀に、漢字の『音』を借りて記された人名や地名が見られます。漢字一字に一音を充てる書き方が特に【万葉集】で用いられるようになったことから、これを「万葉仮名」と言います。
漢字(真名)で書かれたことから「真仮名(まがな)」、また当時漢字が主に男性に使われていたことから「男手(おのこで)」とも呼ばれました。

1-3;さまざまな仮名②【草仮名】

平安時代になると、仮名は漢字の草書を使って書かれるようになりました。これを「草仮名」といい、以後、文字の簡略化が進んで行きます。

1-4;さまざまな仮名③【女手】

平安時代中期になると、仮名は草仮名からさらに簡略化されました。これを「女手(おんなで)」と言います。女性の間で日常に使われたことからその名がつけられた女手は、使いやすさから男性にも使われるようになり、日本独自の優美な仮名へと開花していきました。

1-5;現在の仮名の種類

仮名には元来、漢字の『音』を用いたため、「あ」には『安・阿・愛・悪』、「い」には『以・伊・意・移』といったように、一つの『音』にいくつもの漢字が充てられていました。あまりに多くの仮名があったため、明治時代になると学校教育で学ぶ仮名は一音につき一字に統一されました。これを【平仮名】と言い、平仮名以外の仮名は【変体仮名】と呼び、区別されるようになりました。

2;『字母』とひらがなの関係を理解する

1で解説した通り、ひらがなにはその元となる『音』を充てた漢字があり、それを『字母(じぼ)』言います。字母である漢字がどのような流れで現在のひらがなの形になったのか?この流れを理解できると、それぞれのひらがなの形の特徴を掴むことができます。正しい筆順の理由も理解できるため、結果、造形バランスの整ったきれいなひらがなが書けるのです。
「け」の1画目は『ごんべん』、「に」「ほ」の1画目は『にんべん』、「は」の1画目は『さんずい』。同じ形の1画目でもそれぞれの元の形を知ると「なるほど!」と思えるのではないでしょうか?
きれいなひらがなの書き方を効率よく覚えられるよう、是非この流れを頭の中に入れておいてください。

2-1;あ行・か行

あ行・か行の字母とひらがなの関係はこちらです。
「以」や「加」は「い」「か」をそれぞれイメージしやすいですが、「幾」が「き」になる流れはなかなかイメージできないですね。

2-2;さ行・た行

さ行・た行の字母とひらがなの関係はこちらです。
「之」→「し」、「川」→「つ」の流れを見ると、なるほど!と思えます。

2-3;な行・は行

な行・は行の字母とひらがなの関係はこちらです。
「乃」の筆順を間違えている方には字母からの流れをご説明すると、納得できるようです。

2-4;ま行・や行

ま行・や行の字母とひらがなの関係はこちらです。
「ゐ」や「ゑ」は日常で見かける機会は少ないですが、是非覚えておきましょう。

2-5;ら行・わ行

ら行・わ行の字母とひらがなの関係はこちらです。
「を」をうまく書けないとお悩みの方には、字母からの流れをご説明します。流れを理解できるとひらがなを書くときにも解説が頭の中にスムーズに入るようです。

3;日本語表記におけるひらがなが占める割合は?

日本語は「ひらがな」「カタカナ」「漢字」の3種類の文字で表記します。
そのうち、「ひらがな」は全体の約6割を、「カタカナ」、「漢字」は全体の2割ずつを、それぞれ占めると言われています。
46文字(「ゐ」「ゑ」を含めると48文字)をきれいに書けるようになると、文字全体の雰囲気も大きく変わります。是非、一文字ずつしっかりと覚えて、きれいなひらがなを身につけてくださいね。

4;一文字ずつの解説で学ぶ

さて、ここからいよいよ、一文字ずつの解説に入ります。解説でそれぞれの書き方の特徴を把握した後、音声解説入りの動画を繰り返しご覧になり、実際に書いているところをイメージなさってみてください。
頭の中でイメージできたら、一文字ずつ実際に書いて練習してみましょう。

4-1;あ行

あ行の書き方の解説です。
ひらがなは丸みを帯びるように書くことがポイントです。直線的な線で構成されたひらがなは、子どもっぽく見えてしまう原因にもなりますので、気を付けて書きましょう。

☆音声解説入り動画はこちら

4-2;か行

か行の書き方の解説です。
字母からの流れをイメージすると、造形バランスを整えやすくなります。のびやかに書いてみましょう。

☆音声解説入り動画はこちら

4-3;さ行

さ行の書き方の解説です。
「さ」「す」は逆三角形に、「し」「そ」は縦長に、「せ」は正方形に。それぞれの文字の外形もよく見ながら練習してみましょう。

☆音声解説入り動画はこちら

4-4;た行

た行の書き方の解説です。
「た」や「と」は次の画につなげるように書くと、全体的にまとまりのある仕上がりになります。動画をご覧になると『次の画につなげるように書く』の意味がよく分かることと思います。

☆音声解説入り動画はこちら

4-5;な行

な行の書き方の解説です。
「な」「ね」は三角形、「ぬ」は楕円形をイメージすると、きれいな『結び』を書くことができます。丁寧に書きましょう。

☆音声解説入り動画はこちら

4-6;は行

は行の書き方の解説です。
「は」と「ほ」は似た形ですが、私は字母からの流れを考慮して「は」は楕円形、「ほ」は三角形の『結び』にしています。

☆音声解説入り動画はこちら

4-7;ま行

ま行の書き方の解説です。
「ま」「み」「む」の『結び』は三角形を意識して、「め」「も」は大きく回しながら、それぞれ練習してみましょう。

☆音声解説入り動画はこちら

4-8;や行

や行の書き方の解説です。
「ゐ」や「ゑ」を初めて書く、という方も多いのではないでしょうか?この機会に是非、きれいな書き方を覚えてくださいね。

☆音声解説入り動画はこちら

4-9;ら行

ら行の書き方の解説です。
形の似た「る」と「ろ」。どちらも末広がりになるイメージで大きく回すことがポイントです。

☆音声解説入り動画はこちら

4-10;わ行

わ行の書き方の解説です。
造形バランスの取り方が難しい「を」は、2画目、3画目がポイントです。リズムよく書けるよう、動画を繰り返しご覧になってみてください。

☆音声解説入り動画はこちら

5;ひらがな一覧表を見て練習する

4で書き方を学び一文字ずつ練習なさったら、48文字のひらがな全てを練習してみましょう。馴染みのある「五十音」の他に、気分転換用として「いろは歌」のお手本もご用意しています。

ペンは0.5~0.7mmが書きやすいのでお勧めです。お手本は0.7mmのペンで書いています。鉛筆やシャープペンシルでも構いませんが、B以上の濃さですと芯が柔らかいため書きやすいです。筆タイプサインペンは筆ペンほど扱いが難しくないのでお勧めしている筆記具の一つです。

練習用紙やノートはお手持ちの物をお使いいただけます。文具売り場や100円ショップで購入できる10マスの国語ノートだと、お手本と同じマスの数なので書きやすいことと思います。

5-1;基礎編「五十音」

ペンで書いた五十音はこちらです。
まずは慣れ親しんでいる五十音表の通りに練習してみましょう。

5-2;基礎編「いろは歌」

ペンで書いたいろは歌はこちらです。
五十音に慣れてきたら、気分転換でいろは歌の順番でも練習してみるのがお勧めです。

5-3;応用編「五十音」~毛筆風~

筆タイプサインペンで書いた五十音はこちらです。
筆タイプサインペンは毛筆風の仕上がりになるため、手紙を書くときなどに応用できます。ペンで書くことに慣れて余裕があるようでしたら、こちらにも是非挑戦なさってみてください。

5-4;応用編「いろは歌」~毛筆風~

筆タイプサインペンで書いたいろは歌はこちらです。
ペンに比べると筆タイプサインペンはペン先に弾力があるため、思い通りの線質を表現するのが難しく感じるかもしれません。是非繰り返し練習してみましょう。

6;練習したひらがなを日常生活の実践に生かす方法

「目の前にあるお手本を見ながら書く」…この作業には実は3つの別々の力が使われています。
① お手本を見る力(=観察力)
お手本の形を見る力、とは、お手本はどのように書かれているのか?どこに美文字の法則が応用されているのか?『目』を使ってお手本の特徴を見抜く力のことで、この力のことを私は【観察力】と呼んでいます。
② お手本の形を記憶する力(=脳内にスキャン)
お手本の形を記憶する力、とは、①の目で観察して捉えたお手本の特徴を、そのまま『脳』に記憶する力のことです。この力のことは【脳内にスキャン】と呼んでいます。
③ 記憶した形の通りに書く力(=表現力)
記憶した通りに書く力、とは、『目』でお手本の特徴を捉え、『脳』に記憶した形の通りに『手』で書く力のことで、この力のことは【表現力】と呼んでいます。

6-1;「お手本を見ながら書く」ために必要な3つの力を磨く

4,5では、このそれぞれの3つの力を着実に磨くためのステップを踏んでいます。
字母からの流れを頭に入れ、一文字ずつの解説を把握するのは、①の「お手本を見る力」。
解説入り動画で書いているところをイメージするのは。②の「お手本の形を記憶する力」。
実際に書いて練習するのは、③の「記憶した形の通りに書く力」。
繰り返し練習することで、①「お手本を見る力」、②「お手本の形を記憶する力」が養われ、一文字ずつの特徴やお手本の形を脳内の記憶に留めておくことができ、その通りに書く(=再現する)ことができるようになります。

6-2;日常生活の実践で生かすためには?

練習用紙への練習とは異なり、日常生活での実践においては、書きたい内容のお手本があるわけではありません。しかし、練習を重ねることで①、②の力を養っておけば、文字を書くたびに③の力で再現し、きれいなひらがなを書くことが可能です。手紙や書類などの改まったときだけでなく、買い物の前や1日のスケジュールなど、ちょっとしたメモ書きの際にも意識を働かせて書くことをお勧めします。日常で文字を書く機会は全て実践の場と変わります。是非、解説や動画を思い出し、意識なさりながら書いてみてくださいね。

7;おわりに

ひらがなの成り立ちの理解から始まり、一文字ずつの解説、練習、五十音、いろは歌での全体練習…と、1~6で順にステップを踏んで、着実に力を養える内容をご案内してきました。一つ一つ丁寧にこなすことで、どなたでもきれいなひらがなを書けるようになることと思います。
しかしながら、練習を重ねるたびに「お手本の通りに書いているはずなのに、同じように書けない」、「お手本を見ながらの練習では書けるのに、日常生活の実践になると途端に自分の文字に戻ってしまう」など、問題点が出てくるかもしれません。

【和みの書 奈津 美文字教室】のレッスンはマンツーマンなので、それぞれの『何故?』をすぐに解決できます。練習した文字を添削し、どこを修正すれば良いか?のフィードバックを行うので、身に付くスピードが違います。
体験レッスンも随時開催していますので、是非お気軽にお問い合わせ、お申込みください。


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