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はがきのきれいな書き方

はがきのきれいな書き方

年始の挨拶である年賀状や寒中見舞い、夏の挨拶である暑中見舞いや残暑見舞い、お祝い、お礼状、結婚式招待状の返信はがき…。

手書きできれいに書きたいけれど、宛名の書き方に自信がないからと諦めてしまった経験はありませんか?うまく書けなくて恥ずかしい思いをするくらいなら、と、パソコンに頼って活字で入力なさる方も、少なくないように感じます。

今回はプロの書道家が、はがきのきれいな宛名の書き方をはじめ、簡潔に要件を伝え、きれいに書くためのコツを、徹底解説いたします。

はがきは限られた紙面だからこそ、レイアウトをしっかりと覚えておけば、どなたでも迷うことなく体裁よく書くことができるツールです。このコラムに辿り着いていただけたのも何かのご縁。

是非一緒に、はがきのきれいな書き方を学んでいきましょう。

1;はがきと手紙の違い

封書の手紙と異なり、はがきは近代になってから使われ出した略式の手紙のことを指します。
『葉書=端書』とも書き、紙片の「端」に書きつける覚書、の意味があります。手軽にお祝いやお礼を伝えたい場合や、簡潔に用件を伝えたい場合に向いています。

はがきの文面は、届けたい相手以外の人にも目にできてしまうということを常に意識し、誰に見られても恥ずかしくない内容と文字で書きたいものですね。

手紙をきれいに書く方法はこちらのコラムにまとめてありますので、併せてご覧ください。



2;はがきの「表面」と「裏面」とは?

はがきには「表面」と「裏面」があります。一般的にはがきを受け取る相手の宛名を書く面を「表面」、写真や文章を載せる面を「裏面」と言います。
年賀状などでは差出人の住所、氏名を裏面に書くパターンも見受けられますが、表面に書いておく方が全体の配置バランスも取りやすいというメリットがあります。また、相手が受け取った時に誰からのはがきかすぐに分かるので、心遣いにもなりますね。

「表面」を縦書きにするか?横書きにするか?は、裏面のレイアウトに合わせると統一感が出ます。表裏で縦書き、横書きが揃っているとはがきを裏返したときにも自然に文字が追えるので、受け取り手にとっても読みやすくなります。

3;表面の宛名の書き方

はがきの第一印象と言っても過言ではない、表面の宛名。
何から書き始めたら良いのか?どこから書けば良いのか?迷ってしまう方も多いのではないでしょうか?
ここでは、体裁よく配置できる表面の書き方を、一つずつ解説していきます。早速、見ていきましょう。

*宛先の住所は架空のものです。

3-1;受取人の名前

表面の中央に書きます。郵便番号を記載する7マスのマス目の左から1~2マス目の下が、ちょうど中央にあたります。宛名の文字数にもよりますが、マスの下から1㎝程度空け、一文字を1.5~2.0cm四方の大きさで書くと収まりが良くなります。字間は5mm程度空けましょう。
「様」「御中」などの敬称は、宛名よりもやや大きめに書くことで、相手への敬意を表すことができるだけでなく、安定感のある宛名に仕上げることができます。
ご夫婦やご家族など、連名で書く場合には、個々の名前の下に敬称をつけましょう。

3-2;受取人の住所

はがきの右端から1.5㎝空けたところから書きます。7マスの郵便番号の右から1~2マス目の下が、ちょうどこの位置にあたります。マスの下から5mm程度空け、一文字を1.0~1.2cm四方の大きさで書くと収まりが良くなります。住所の長さにもよりますが、都道府県名~番地を一行目に、アパートやマンション、ビル名がある場合には二行目にそれぞれ書き、右1/3に収まるようにまとめましょう。二行目は一行目よりやや小さな文字で書くと良いです。
住所を書くときには、宛名の「様」の位置よりも上に収まるように配置することも覚えておいてください。

3-3;差出人の名前

はがきの左端から1㎝空けたところから書きます。郵便番号を記載する7マスのマス目の右から3マス目の上が、ちょうどこの位置にあたります。はがきの中央辺りから、一文字を0.8~1.0cm四方の大きさで書くと収まりが良くなります。字間は0.2~0.3cm程度空けましょう。

3-4;差出人の住所

名前から少し空けた位置に書きます。7マスの郵便番号の右から2~3マス目の上が目安です。消印のスペースを考慮し、切手よりも1.5~2.0cm下から書き始めると良いです。一文字を0.5~0.8cm四方の大きさで書くと収まりが良いです。宛先同様、名前より上に収まるように、長くなる場合は二行目に書き、はがきの左1/3に収まるようにまとめましょう。

3-5;書く順番と文字の大きさ

ここまで読んでお気づきの方もいらっしゃることと思いますが、表面を書く順番として望ましいのは、①受取人の名前、②受取人の住所、③差出人の名前、④差出人の住所…になります。文字の大きさもこの順番の通りです。受取人の名前を最も大きく書きましょう。

3-6;郵便番号と都道府県

受取人、差出人、ともに必ず記載しましょう。郵便番号を書けば都道府県は省略しても差し支えありませんが、目上の方や取引先などに送るときには省略しない方が丁寧な印象を与えられます。

3-7;それでも不安なときには

それぞれの配置場所と文字の大きさは理解できた…けど、それでも真っすぐ書けるか不安、という方も、いらっしゃるかもしれません。
書き終えてから消せるように鉛筆で薄く印を付ける、中心線を引く、紙や定規を当てて真っすぐ書く、などの工夫をなさることで、安心して書けることと思います。

また、市販のスケールやテンプレートもありますので、ご参考までにご紹介しますね。

『スットカケール』;セーラー万年筆株式会社

『筆文字練習帳付き かんたん筆ペン 筆まかせ』;株式会社パイロットコーポレーション

4;はがきの種類と実例

ここではそれぞれのはがきの実例とともに、内容や配置の仕方などを解説します。相手を想い、気遣える内容であれば、短くても心が伝わるはがきとなることでしょう。是非ご参考になさってください。

4-1;年賀状

新年を祝う挨拶状である年賀状は、元日~松の内(1月7日)までには送りましょう。

年賀状は、新年を祝う賀詞をはがきの中心より右側に大きめに書きます。添え書きははがきの中央に小さめに書きます。賀詞より書き始めを下げるようにしましょう。左端に年号、または西暦、元旦と書きます。西暦のときには漢数字に置き換えて書きましょう。

また、目上の方などには賀詞に続き、旧年中の感謝を述べ、結びの言葉として相手の健康や反映を祈る言葉や変わらぬ交流をお願いする言葉などで締めると、より丁寧な印象になります。

なお、句読点は省くことが通例となっています。句読点は文章の終わりを意味するため、新年のお祝いの挨拶にはふさわしくない、と考えられているからだそうです。

4-2;寒中見舞い

二十四節気の小寒(1月5日頃)~立春(2月4日頃)の前日までに出します。松の内を過ぎてしまった場合や、年賀状の返答として、また、喪中のために年賀状を出せない場合の代用や、服喪中の方へのご機嫌伺いなどに使われます。

寒中お見舞いは、「寒中お伺い申し上げます」などの挨拶の言葉をはがきの中央より右側に大きく書きます。書き出しの高さを変えて二行に分けると見栄えが良くなります。添え書きははがきの中央に、少し下げて小さめに書きます。左端に日付を書きます。

4-3;暑中見舞い

暑中見舞いは二十四節気の小暑(7月7日頃)~立秋(8月8日頃)の前日までに出します。時期としては小暑以降ではありますが、梅雨明け以降を目安にすると良いですね。暑い季節に相手を気遣うために送ります。

暑中見舞いは、「暑中お見舞い申し上げます」などの挨拶の言葉をはがきの中央より右側に大きく書くます。書き出しの高さを変えて二行に分けると見栄えが良くなります。添え書きははがきの中央に、少し下げて小さめに書きます。左端に年号、または西暦、盛夏と書きます。西暦のときには漢数字に置き換えて書きましょう。

4-4;残暑見舞い

二十四節気の立秋(8月8日頃)~遅くても白露(9月9日頃)の前日までに出します。

残暑見舞いは、「残暑お見舞い申し上げます」などの挨拶の言葉をはがきの中央より右側に大きく書くます。書き出しの高さを変えて二行に分けると見栄えが良くなります。添え書きははがきの中央に、少し下げて小さめに書きます。左端に年号、または西暦、晩夏と書きます。日付でも良いでしょう。

4-5;お祝い

お祝いのはがきはお節句、入園、入学、誕生日、などのお祝いする日よりも前に届くように送ります。

「○○おめでとうございます」などのお祝いの言葉とともに、相手を気遣う言葉や季節を取り入れた表現を盛り込めるといいですね。

4-6;お礼状

お礼状は品物が届いたときや、借りた物を返すときなどに、あまり間を空けず出したいものです。

「○○をありがとうございます」などのお礼の言葉とともに、相手を気遣う言葉や季節を取り入れた表現を盛り込めるといいですね。

4-7;結婚式招待状の返信

結婚式の招待状の返信は、表書きの宛名の下に印字されている「行」の文字を二重線で消して「様」と書くことを必ず行いましょう。

招待状を受け取ったら、できれば数日中に返信するのが理想です。予定がはっきりしない場合は、その旨を先に電話で伝え、招待状に記載された期日までに返信するようにしましょう。

裏面は、「ご出席」「ご欠席」と印字されている右側に、「ご結婚おめでとうございます」などのお祝いのメッセージを一言添えると良いです。出席の場合には上に印字された「ご」と「ご欠席」を二重線で消し、「出席」を○で囲みます。

やむを得ない事情で欠席する場合でも、お祝いのメッセージは添えましょう。印字された「ご」と「ご出席」を二重線で消し、「欠席」を○で囲んだら、簡略なお詫びの言葉を添えるといいですね。ただ、詳しい理由は書く必要はありません。病気や身内の不幸など、お祝い事に水を差すような表現はしないように注意なさってください。

日付は「○月吉日」と書き、印字された住所の上の「ご」と、名の上の「ご芳」を二重線で消します。名前は1.0cm四方で字間を均等に空けて書きます。住所はやや小さく0.7mm四方程度で書きましょう。

5;きれいに書くコツ

ここまで表面、裏面、それぞれの書き方を実例とともに解説してきました。ここではきれいに書くコツを解説いたします。

限られた紙面にきれいに書くために必要なことは、①文字の大きさを変えること、②行頭を揃えること、③余白を意識すること…です。これらを常に念頭に置き、心を込めて丁寧に書くことを心がけましょう。

特に①の文字の大きさ、③の余白については、表面、裏面ともにそれぞれの個所をどのくらいの大きさで書いたら良いか?を3、4で解説してありますので、確認なさってみてくださいね。
②の行頭を揃えることは、改行するたびに右隣りの文字の位置を確認することが大切です。

きれいな文字の書き方は以下のコラムにまとめてありますので、併せてご覧ください。









6;おわりに

いかがでしたでしょうか?レイアウトをきちんと覚えれば、どなたでも体裁の良いきれいなはがきの書き方ができることをご実感いただけたことと思います。

文字を覚えたての私は、入園時、入学時、夏休み、お正月、誕生日…祖父によくはがきを書きました。祖父はお祝いやお礼の言葉とともに、私への激励の言葉や近況報告をはがきに書いてくれました。祖父からの返信のはがきは40年以上の時を経た今も大切に保管してあり、事あるごとに読み返しては、今は亡き祖父との約束を思い出しています。

今回、このコラムを執筆するにあたり、祖父の手紙を改めて読み返しました。読み進めるうちに涙が次から次へと溢れ出ました。文字から、そして言葉から、祖父の想いをいつでも受け取ることができるはがきの素晴らしさを肌で感じた瞬間でした。

手書きの文字の最大の魅力は、心が伝わることだと私は考えています。だからこそ、ご自身の文字にお悩みの方やコンプレックスを抱えていらっしゃる方が自信を持ってきれいな文字で書けるよう、さまざまな内容をコラムでお伝えしています。

しかしながら、コラムだけではどうしてもお伝えしきれないことがあることも事実です。あなたにどのようなお悩みがあるのか?文字の書き方のクセがあるのか?どこまでを理想としているのか?一つ一つを丁寧に伺いながら行い、解決していくことができるのが、【和みの書 奈津 美文字教室】のマンツーマンレッスンの最大のメリットです。基本は対面でのレッスンですが、オンラインでもご受講いただけます。一文字書くごとにきれいな文字へと変わる喜びを、是非あなたにもご体験いただきたく思っています。

体験レッスンは随時開催しています。是非お気軽にお問い合わせ、お申込みくださいませ。
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